中期経営計画の総括にあたって
大同メタルグループの企業理念及び行動指針を踏まえ、持続的な成長を実現するために、中期経営計画「Raise Up “Daido Spirit”~Ambitious、Innovative、Challenging~」を策定し、この計画に基づく活動を通して、企業価値の向上を目指してまいりました。
6年間の振り返り
(2018年度~2023年度)
2018年度より開始した当社の中期経営計画は、2023年度をもちまして最終年度を迎えました。
これまでの6年間を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響のほか、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料価格や資源価格の高騰、当社グループが事業展開している国・地域における地政学的リスク、為替変動などが見られ、当社グループの売上高や利益にも複合的かつ多大な影響をもたらすこととなりました。
連結ベース | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
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売上高(億円) | 1,077 | 1,001 | 847 | 1,040 | 1,154 | 1,287 |
営業利益(億円) | 72 | 41 | 13 | 50 | 28 | 60 |
営業利益率(%) | 6.7 | 4.2 | 1.6 | 4.8 | 2.4 | 4.7 |
ROE(%) | 7.9 | 4.9 | 0.2 | 3.3 | △3.6 | 4.0 |
(2018年~2023年)
前半3年間実績 | 後半3年間実績 | |||||||
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[暦年ベース / 当社推定値] (%) | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2017年対比 |
① | ② | ② - ① | ||||||
自動車エンジン用半割 | 32.5 | 33.1 | 33.0 | 33.5 | 36.7 | 36.7 | 33.3 | +0.8pt |
ターボチャージャー用(スモールターボ) | 28.0 | 24.0 | 20.5 | 19.6 | 18.4 | 17.9 | 15.4 | △12.6pt |
舶用低速エンジン用 | 51.0 | 54.0 | 55.0 | 58.0 | 66.0 | 73.0 | 73.0 | +22.0pt |
舶用・産業用中高速エンジン用 | 15.0 | 15.0 | 15.0 | 15.0 | 23.0 | 24.0 | 25.0 | +10.0pt |
ポリマー軸受 | 12.8 | 12.9 | 12.8 | 12.9 | 13.0 | 13.0 | 13.1 | +0.3pt |
回転機械用軸受(発電機タービン用) | 3.7 | 3.7 | 4.6 | 4.9 | 5.6 | 6.3 | 7.4 | +3.7pt |
- 2018年より順調にシェアの伸ばし、2021年で初めて35%を超え、36.7%を達成しました。
2022年もシェアを維持し、EVを除く内燃エンジンシェアも伸長しましたが、2023年は中国での内燃機関搭載車の販売不振等の影響により、最終年度の2023年はトップシェアを維持したものの、前年対比シェア減となりました。
シェア
- 低速は2018年より順調にシェアを伸ばし、2022年は73%を達成、2023年も同水準を維持しました。
- 中高速は中国市場の開拓強化等により、後半3年間は前半3年間対比で+10ポイントとなりました。
次期中期経営計画
前中期経営計画の結果を正面から受け止め振り返りながら、今後、事業環境の目まぐるしい変化が従来以上に予想される中、持続的な成長と社会貢献を実現し続ける会社であり続けるべく、「2030年に当社グループの目指すべき姿」、「当社グループが直面する課題改善を図るための中期的なロードマップ」及び「事業環境の変化に柔軟に対処するための体制の整備」等を検討・精査した上で、次期中期経営計画を策定していく必要があると認識しております。
つきましては、2024年度は、次期中期経営計画を策定するための準備期間と位置付け、2025年5月頃を目途に次期中期経営計画を策定し公表していくことを予定しております。
また、当社グループは、前中期経営計画において、「営業利益率」及び「ROE」を目標数値に掲げており、特にROEを上昇させることが経営上の最重要課題であると認識し、その実現に向けた対処策を講じてまいりました。今後につきましては、株主資本コストを上回るROEの実現を目標とし、そのための成長戦略を次期中期経営計画に盛り込むべく検討・精査を進めてまいります。